Wayang Kulit 鑑賞 2
2013年 02月 26日
ワヤンクリットは、インドの古代叙事詩「ラーマーヤナ」と「マハーバーラタ」を、
インドネシア風にアレンジしたもの。
ヒンズーのお祭りの一部として演じられてきたこともあり、
ジャワ島やバリ島でしか、演じられていない。
白い巨大スクリーンの前には、たくさんのクリット(人形)。
バナナの茎に刺してあって、場面ごとに、
使うものだけが、中央に置かれてある。
中央には、ダラン(人形遣い)が一人。(後にもう一人、補佐がいる)
このダランが、(本番では8時間以上)一人で、台詞を言い、人形を操る。
一度に2体から3体しか操れないが、声色もちゃんと使い分け、
かなりの熱演だ。
スクリーンに向かって右側には、女性歌手が4人。
(なんと、今回、お一人は日本人!)
その手前には、ガムラン奏者。
(今回は、ソロの芸大の学生さんら、総勢20名。)
ガムランと一言で言っても、その種類は30近く。
シンバルがそのすべてを仕切っていて、
効果音も出したり、ダランとの息もぴったり。
客席が置かれているのは、実は裏側。
あの世と言う設定。
見事な彩色が施されたクリット(人形)と、
その遣い手、演奏、すべてが見える。
グヌンガン(Tree of life)は、
場面展開の合図だったり、
人間以外の景色や小道具を表したり、
一番良く使われる。
ダランが、人形やグヌンガンを動かすだけではなく、
スクリーンに近づけたり遠ざけたりすることで、
舞台の効果を演出している。
客席を離れて、スクリーンの裏側へ。
本来は、こちらが表。現世を意味する。
現世では、色のない、影でしか、物事が見えないとされている。
裏側は、ちゃぶ台が置かれ、敷物が敷いてあり、
あぐらをかいたり、寝転がったりして、飲食しながら、
かなりリラックスして観ることが出来る。
ワヤンクリットの神髄は、やはり影絵。
表側と違って、影絵しか見えないので、
ストーリーに集中できる。
そして、この人形たちの、すばらしいこと!
ダランが無造作に置いているように見えた人形たち、
実は首の角度、手の位置、すべて計算され尽くしている。
人形自体はシンプルな造りなのに、
指の動きにいたるまで、実に細かい。
黒と白しかないからこそ、繊細さが際立つ。
表と裏、あの世と現世、
両方を行き来して、ワヤンクリットの奥深さを実感できる。
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by melissan
| 2013-02-26 10:48
| ジャカルタ生活