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旅行・食べ物・音楽・映画などの覚書き。ワンコ生活もスタート。                        


by Melissa N.
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Wayang Kulit 鑑賞 2

Wayang Kulit 鑑賞 2_d0106242_1049960.jpg

ワヤンクリットは、インドの古代叙事詩「ラーマーヤナ」と「マハーバーラタ」を、
インドネシア風にアレンジしたもの。
ヒンズーのお祭りの一部として演じられてきたこともあり、
ジャワ島やバリ島でしか、演じられていない。

白い巨大スクリーンの前には、たくさんのクリット(人形)。
バナナの茎に刺してあって、場面ごとに、
使うものだけが、中央に置かれてある。

中央には、ダラン(人形遣い)が一人。(後にもう一人、補佐がいる)
このダランが、(本番では8時間以上)一人で、台詞を言い、人形を操る。
一度に2体から3体しか操れないが、声色もちゃんと使い分け、
かなりの熱演だ。

スクリーンに向かって右側には、女性歌手が4人。
(なんと、今回、お一人は日本人!)
その手前には、ガムラン奏者。
(今回は、ソロの芸大の学生さんら、総勢20名。)
ガムランと一言で言っても、その種類は30近く。
シンバルがそのすべてを仕切っていて、
効果音も出したり、ダランとの息もぴったり。

Wayang Kulit 鑑賞 2_d0106242_1049683.jpg

客席が置かれているのは、実は裏側。
あの世と言う設定。
見事な彩色が施されたクリット(人形)と、
その遣い手、演奏、すべてが見える。

Wayang Kulit 鑑賞 2_d0106242_1049331.jpg

グヌンガン(Tree of life)は、
場面展開の合図だったり、
人間以外の景色や小道具を表したり、
一番良く使われる。

ダランが、人形やグヌンガンを動かすだけではなく、
スクリーンに近づけたり遠ざけたりすることで、
舞台の効果を演出している。

Wayang Kulit 鑑賞 2_d0106242_1049156.jpg

客席を離れて、スクリーンの裏側へ。
本来は、こちらが表。現世を意味する。
現世では、色のない、影でしか、物事が見えないとされている。

Wayang Kulit 鑑賞 2_d0106242_10485859.jpg

裏側は、ちゃぶ台が置かれ、敷物が敷いてあり、
あぐらをかいたり、寝転がったりして、飲食しながら、
かなりリラックスして観ることが出来る。

Wayang Kulit 鑑賞 2_d0106242_10485570.jpg

ワヤンクリットの神髄は、やはり影絵。
表側と違って、影絵しか見えないので、
ストーリーに集中できる。
そして、この人形たちの、すばらしいこと!
ダランが無造作に置いているように見えた人形たち、
実は首の角度、手の位置、すべて計算され尽くしている。

Wayang Kulit 鑑賞 2_d0106242_10485237.jpg

人形自体はシンプルな造りなのに、
指の動きにいたるまで、実に細かい。
黒と白しかないからこそ、繊細さが際立つ。

Wayang Kulit 鑑賞 2_d0106242_10484993.jpg

表と裏、あの世と現世、
両方を行き来して、ワヤンクリットの奥深さを実感できる。

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by melissan | 2013-02-26 10:48 | ジャカルタ生活