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旅行・食べ物・音楽・映画などの覚書き。ワンコ生活もスタート。                        


by Melissa N.
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親子。師弟。教育。・・・永遠のテーマ。

私は映画から学ぶことって、本当に多いです。
歳とともにその感じ方もいろいろ。
子育てをしたり、人に物を教える立場になって、思い出したり、
観なおしたりした映画があります。
年度末、大半のレッスンが終わりに近づいた今の反省もこめて、いくつか。

コーラス
ジャン=バティスト・モニエ君の美しい歌声と憂いを含んだ表情が印象に残る話です。
体罰が当たり前の問題児ばかりの寄宿舎にやってきた音楽教師。
歌で子供達の心を開かせるなんて、理想ですねぇ。
その子の素質を見抜いて、わが身を削って献身的な指導にあたる先生には感動!
私も時々、きらっと光るものを見ることがあります。でも、本人は当然気づかず、
こちらが一生懸命になるほど引いてしまって、うまく行きません。
なかなか、ここまで入れ込んで、子供の方がついてきてくれることはありません。
最後には有名な指揮者になった主人公、先生の愛情溢れる指導のおかげですよね。
教師も親も、なが~~~い目で子供の行く末を見守る(先に行くので見届けられないけど)
しかないのか・・・。

モナリザスマイル
50年代のニューイングランドということで、封建的な社会にはまだ早すぎた先生の話。
(キルスティン・ダンスト、こういうくせのある役にぴったり。最近は主役級ですが、
今一つはまってない気がする。)
この映画のロケ地はマサチューセッツ州の「ウェルズリー大学」、ヒラリークリントンの
出身校。セブンシスターズの一つ。ただ、当時はフィニシングスクールのようでした。
つまり、「よき妻」になるための学校。
リベラルアーツをモットーにしているということで、期待に胸膨らませて西海岸から
やってきた美術教師。でも保守的な社会の中で、生徒全員の意識改革までにはいたらず、
結果一年で退職。
時代は違っても今も共通するテーマで、登場人物を自分と重ねてしまいます。
教師というのは、いくら正しいと分かっていても、あまり自分の考えを生徒に
押し付けてはいけないんだなぁと反省させられる点も。
先生を尊敬しながら、先生の思うとおりの道を歩まなかったジョアンにも同情するし、
はむかいながらも結局は先生を一番理解したベティの気持ちも分かる。
難しい時代だったんですね。

いまを生きる
同じく50年代、ニューイングランドという設定からも、モナリザスマイルの男性版とも言うべきもの。(こちらの方がずっと以前に作られていますが)
舞台が男子校になっただけで、親からのプレッシャーに悩み、自由とは何かを求め
苦しむのはモナリザスマイルの女生徒たち、ひいては現代の若者にも共通します。
また、型破りな教師が、結局は辞職させられるという結末は、モナリザスマイル同様、
この時代では仕方なかったのでしょうが、残念です。
この映画のロケ地はデラウェア州の「セントアンドリュース」というボーディングスクール。
私が住んでいた町にも「フィリップスアカデミー」という、アメリカ最古のボーディングスクール
(あちらではプレップスクールと呼んでますが)がありました。ハンフリーボガードや
JFケネディ、ブッシュ父子など、著名人が多数卒業していて、今はアイビーリーグに入る
ための名門私立高校、東京で言うところの御三家みたいなものですが、全寮制という
意味ではラサールをイメージすれば近いかも。(現在はどこのプレップも共学になりましたが、
日本はあいかわらず男女別々。)
「グッドモーニングベトナム」や「レナードの朝」、「ジュマンジ」などなど、
あらゆる役をこなすロビンウィリアムズ。彼の抑えた演技、絶品です。
ちょっと笑顔が意味深なんだけど、好きだなぁ。

フリーダムライターズ
舞台はぐっと現代に近づきますが、やっぱり自己中心的な先生のお話。
ただ、時代の差でしょうか。強い意志が社会(学校)までも動かし、こちらは大成功。
人種差別の激しいLA,命までをも脅かす闘争、事態は深刻ですが、最後はハッピーエンド。
ヒラリースワンク、「ミリオンダラーベイビー」で初めて知った女優さんでしたが、
実は既にアカデミー主演女優賞を2度も受賞、実力のある人でした。
道理で、実話に基づいたとはいえ、わざとらしすぎる映画だと半分引いて観ていたのですが、
ぐいぐい引き込まれてしまった。

ホワイトオランダー
以前観た「because I said so」に似ていなくもないですが、こちらはかなりシリアス。
初めて観たときはドキッとしました。
映画評では母親から自立していく娘の話となっていますが、私にはそうとも言い切れない
感じがしました。
ここまで極端でないにしても、親子って言葉では言い表せない共通の意識があって、
母親の感性に妙に感じ入っちゃうことってあると思う。
反発しながらも気づくと母親の言動に影響されているし、
娘の反抗を当時の自分と重ねることもある。そう思いながら見ていると、
極端ではあるけれど、やはり母の言うことに一理あると思える点、
「because I said so」に似ている気がします。
この映画の母親がかなり特殊なだけで、娘を気遣う母親の立場から見ると、
娘が自分から離れていく恐怖、分かる気がする・・・。
いやぁ、怖いですね。自分の言動に責任持たなければと、改めて思い知らされました。
ホワイトオランダーのイメージをミッシェルファイファー、見事に演じています。
ぞくっとするくらい美しい。
by melissan | 2008-03-08 09:24 | 映画